棟梁のこだわり
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「作業場」
「作業場が育ててくれた」。
その想いを受け継ぐ場所がほしかった。
棟梁 木又誠次が、まだ大工見習いで修行していた頃、作業場に住み込んで働いていた時期がありました。
そこでは24時間365日、木材や機械に触れることができ、寝る間を惜しんで技術の研鑽に努めたのです。
「そんな体験を弟子たちにもさせてやりたい」という想いから、木又工務店も24時間自由に使える作業場を設立。
細かな部材から手づくりを徹底するための加工場として、弟子たちが自主的に知識や技術を身につける学び舎として、この作業場は木又工務店の新しい大きな一歩となったのです。
「手づくりの家づくり」「若い大工たちを育てていく」という2つの目標を実現させる体制を整備しました。また、作業場には原木を置いておく保管庫としての機能も。建築中の家に必要な特性の木材をストックから選ぶことができ、仕入れた木材の状態を整える環境も設けることができました、安心できる家づくりを、さらに徹底していきます。 -
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「免許」
家づくりの全過程に満足したいから、
現場のすべてを理解したい。
大工に大切なのは何よりも腕。建てる家のよさは、建てた家でしか伝えられないと思っています。
職人としての想いはそうあるものの、木又工務店の大工は免許取得のための勉強も大切にしています。
その理由は大きくふたつ。
まずは「初見のお客さまにとって、大工のスペックを測るためには有している資格を見ることがどうしても大きな意味をもつ」こと。そして「現場のすべてを理解することができなければ、本当の家づくりができないという」想いがあるからです。
現場で指示を仰ぎ、加工された木材を組み上げていく。これでは納得でできる家が建てられない。
お客さまの想いやこだわりを、素材選びや施工過程から大切にした家を建てたい。
木又工務店なら家づくりの現場すべてを任せられる、そう信頼してもらえる存在になりたい。
だからこそ免許取得にこだわります。 -
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「道具」
大工としての心構えを整える。
その気持ちが道具に対するこだわりに。
木又工務店が道具にとことんこだわる理由。それは、修業時代にまで遡ります。
「刃物が切れていないと、いい仕事はできない」という親方の厳しい教えを遵守し、来る日も来る日も道具の刃を磨き続けて鍛錬を積んだ技と共に活かす時を待ったのです。
「最高の道具で、最高の仕事を仕上げてやる」という気持ちを強く抱いて。
そして、期待以上の精度で仕事を形に残して、一つひとつ信頼を築き上げてきました。
道具にこだわる。この姿勢は大工としての心構えを整え、お客さまの喜びを生み出していくためのもの。
最高の家づくりをとことん追求していくために、この基本姿勢を大切に貫いていきます。 -
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「伝統」
大工の基本は変わらない。
伝統を学んで現代に活かす工夫を。
大工が仕事で用いる基本の道具は3つ。曲尺・墨壷・釿がそれである。
これらを、古より伝わる昔飾りの通りに並べると「水」の文字が浮き上がる。
これこそが、大工という仕事の神髄を語る上で欠かせない習わしなのです。浮き上がる「水」は、大工仕事における基本中の基本「水平」を意味する文字。着工前にしっかりと水平を測り、建築物の軸を垂直に設けなければ、例え気づかないような細かな差異でも最後には大きな歪みとなってしまいます。
この昔飾りは、大工が正月に今年一年の無事を感謝し、来年を祈念する儀式。
今では見ることの少ないこの昔飾りを、木又工務店は大切に受け継いでいます。
常に己の姿勢と技術を振り返り、明日への業へと繋げていくために。
昔からの知恵と伝統を大切に、技術だけに頼らない家づくりの追求。これが、木又工務店の伝統哲学です。 -